虚空蔵菩薩

注）虚空蔵菩薩を説明しているページで、当寺が仏像を安置しているわけではございません。

本日の仏参は大阪市此花区、西淀川区でした。

梵語で「アーカーシャガルバ」といい、「アーカーシャ」は「虚空（こくう）」（宇宙の意）、「ガルバ」は「蔵」と漢訳されます。

「虚空蔵菩薩（こくうぞうぼさつ）」は虚空（大空）のような広大無辺の智慧と福徳を包蔵しているところから名づけられました。

地蔵菩薩が大地を蔵とするのに対して、虚空蔵菩薩は虚空を蔵とします。

大地が万物を生み、それを虚空の働きで育てることから、のちに両者は陰と陽の徳を司ると考えられました。

「求聞持法（ぐもんじほう）」という行法の本尊として日本では古くから信仰されています。

“求聞”とは見聞きしたことを記憶して忘れない智慧のことで、求聞持法の法行は虚空蔵菩薩の真言を千日または五十日のあいだに百万回称えるというもので、この難行をまっとうしたら集中力が備わり、見聞きしたことを忘れない「自然智（じねんち）」という智慧を授かるといいます。

若き空海がこの法行を修したエピソードはよくし知られています。

虚空蔵菩薩は密教では重要な地位を占め、大日如来を中心として組み合わされる「五知如来（ごちにょらい）」の変身であると説かれています。

蓮華座に座して宝冠を頭上にのせ、右手に智慧を象徴する剣を持ち、左手には福徳を示す蓮華と宝珠を持っているのが一般的です。